材料を選ぶ

2018.5.21 / blog

先日のこと、二日かけてプレカット工場に木材のピッキングへ
実家の工場でもある為、無理を言って材料をじっくり選んできました。

 

家の構造材の中で現しになる柱や梁をどこの場所にどの向きで使うかを
決め、番付を振っていく作業になります。

 

今回は特一材(化粧材ではなく一般材)の中から材料を選んでいきます、
無地(無節)や上小(上小節)の指定すると極端に材料の金額が上がる為ですが
今回は適度に節あるの方が雰囲気も合うので
全体の質感に合わせてうまく節などの表情を出していくことを考えています。

 

まずは柱ですが杉の105角です
柱はまず根と葉の方向を見ます、木が山に自然に植わっていた通りに
根っこの方を下に、葉っぱの方を上にして柱としても使います。

 

 

やはりなるべく自然の通りに使うのが構造的にも強く、美しく合理的です。

 

後は全体的な反りや節(死節や生き節)や割れなど見た目も考慮しどこの場所に使うか向きなども
考えて割り振っていきます。
割れ一つとっても実は色々で表面に割れが出ている材料の方がむしろ材料としては強く
内部割れしている方が強度的には良くなかったりします
(しかしなかなか一般的には表面に割れていると材料に欠陥があると思われので
KD材では表面に出さずに内部で割れを出すように乾燥させるのが一般的になっています)

 

KD材という人口乾燥材は勿論水分が少ないので材料が伸縮で割れてきたり、反ったりなどが少ないのですが
材料自体の色味は赤っぽく艶がある表情がなくなっています
これは材料の小口をみると変に白っぽかったり焦げてるように黒かったりするので
すぐにわかります。

 

続いて梁ですがこちらは木表、木裏を見ながら割り振っていきます、米松なんでヤニツボには注意です。
反りの方向も大事ですね。9寸(105×270)の5M材もある為、転がしながら見るのが一苦労です。

 

 

ウンチクばっかり書いてしまいましたが、単純に材料がキレイかどうかだけでなく
色々と考えるポイントはあるわけです。

 

そして見るポイントが多い分、選ぶ立場としても考えがあやふやだと迷ってしまうものなのです。(正解はないので)
自分の中での価値観をしっかりと持ってなくてはなりません。

 

そして一度住宅が建つと勿論材料を変えることなど、なかなかできないことなので
しっかりと選んでいきたいです。
そこに住む方々はその材料をずっと見ていくわけなので。
それは設計者も同じで、これから先ずっと、何度も見ることになる材料になります。