循環している空間とは
2021.3.25 / blog
自分が「この空間居心地がいいなー!」と思う基準の一つになんとなく空気が動いている(滞っていない)がある。
それは普段何気なしに訪れる店舗もそうだし、住宅や公共施設なんかもそうだから建築すべてにおいてで、新しい建物、古い建物は関係なしにある気がする。
カフェなど滞在する時間が長いお店なんかは特に大事になってくる。
勿論自分が設計する建築においてもその感覚が大事で、なんとかその空気感をつくれないかと毎回奮闘するがなかなか難しい。
当然数値化できないし言語化も難しい、物理的に空気が動いている換気や気流とはまた違って(ただこれも大事ではあるけど)言葉にできない部分であるからだ。
内部空間の家具や物の多さにも関係するのか?確かに物が多すぎると物に空気がぶつかり、あまり循環しなくなる気もする。
ただ家具や物が全くないだだっ広い空間が空気が循環しているとは限らない、むしろそういう何も手掛かりのない空間は広さも感じないし、循環もしていないことも多い。
では何が重要なのか、これがわかったら苦労しないが、関係する要素の一つに建築の骨格や空間の構成がある気がする。
それは平面で見た時に部屋の真ん中に柱があればその点を中心に空間が循環したり、シンメトリー(左右対称)にすれば中心が生まれ空間が動いたり。
また高さや大きさやカタチ、配置をずらすことで空間に一方の流れをつくったりと。
「空間に奥行きがあるね」という表現は良くされるからそれと近いかもしれないが「奥行き」が一方向に対して「循環」は全方向なのかもしれない。
今の話は内部空間においての話だけど外部空間(建築の輪郭)においても同じことがいえる。
外部空間つまり外は限りなく空間としては広く、終わりがなく空気の流れも可視化できないが
建築をつくることによってその空間の流れを多少だけど可視化というか感じ取ることができるのかもしれない。
その大きな循環というか流れが自然な状態であり、かつ人がつくったという叡智を感じさせる建築に魅力を感じるのだろう。
そしてその循環が内部空間と外部空間で途切れるのではなく繋がっていることでより大きな流れの循環を創造することが
でき、建築としてより魅力的な存在となるのかもしれない。
その建築という器の中にいると逆に宇宙のようなひろがりを感じたり、自然(社会)の中に建築があって
その風景が自然なままよりより良くなっていたり、そんな力が建築にはあるし、面白いね。そんな建築を目指したいっス。
[循環・空気の流れとか連発していたけど、風のように物理的な流れというよりかは音楽が流れる感覚に近いかもと最後に思った、
その音楽は静か流れ、落ち着く音楽もあれば、賑やかで楽しい音楽もある。