
住宅の計画
2021.7.1 / blog
新たな住宅の計画がはじまりました。
建築の仕事をはじめる時どんなことを考えているか書いてみようと思います。
まずは敷地に何度か通い、周囲の建物と環境の関係、建ち方を参考にしたり、面白い生活の知恵やアイディアなど発見したり
ぼーっと歩きながらなんとなくの居場所のイメージをしてみます。
一番初めに先入観なく敷地を訪れた時に感じた感覚は特に大事になるので
忘れないように、肩の力を抜きなるべくリラックスして臨みます(肩に力が入りやすいタイプなので肩をぐるぐる、上げ下げ)
検討を進めていくうちに頭で考えることが多くなる為
やはり体で感じる感覚が一番確かのようです。
敷地の形状や大きさ、方位など細かい条件は勿論大事ですが
土地の区割り自体、歴史の中ではごく最近のことで
その「場」からというより、経済的や合理的な諸条件により決まっている場合も多く
あまり惑わされない様に注意します。
隣の家もいつ取壊しになるか、いつ新しい建物が建つかはわかりません
その様な敷地周囲の細かい条件よりは普遍的で大きな、地形や循環という視点などから考えていきたいと思っています。
細かな現実的な諸条件と大きな視点を行ったり来たりして考えます。
以上の様にその土地から導いていく流れと
施主から受けるイメージ(具体的な趣味とかというより大きな漠然とした根本的なイメージ)
の二つを掛け合わせて具体的な建築というカタチで表すことを考えています。
そこでは自分が考えてつくったぞ!デザインしたぞ、というように自分の色が前面に出るよりは
自分はただ建築の神様につくらされていて、まとめているだけという感覚が大事だとアドバイスを受け
割と最近意識しています(あやしい表現ですがあやしくないですよ)
そんな感じで設計をスタートしていきますが
ああでもない、こうでもないを繰り返しながら
時間をかけ徐々にカタチになっていきます。
敷地は市街からも近いながら
自然や歴史も残る
川沿いですごく気持ちよい場所です。
かつてはお城もあった施主さんの所有の山林が一部あり、そこには個人所有のお稲荷さんがあります。
その横には地域で現役の炭焼き小屋もあったりします。
そんな素晴らしい地域に馴染む建築を目指し進めていきます。

この立て札には結構距離があるのに「ここにモノを置かないでください、神前です」と書いてあり、なるほどと思いました。